ASANOT BLOG / アサノタカオの日誌

編集者。本、旅、考える時間。

2016-01-01から1年間の記事一覧

本当の自由とは何か

『山と渓谷』2016年10月号に寄稿した書評「今月の一冊・『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』今福龍太著」を再掲載します。 森に吹く「自由」の風が、不思議な親しさをもって、読書に集中する額をなでていく。本を介して野の道を逍遥する者の心に、ハックルベリ…

詩と夜空にかがやくもの

小学校から帰ってきた幼いむすめが、しょんぼりしている。何ごとかと思って聞いてみいても、なかなか答えない。親としてはとても気になるけれど、まあ、そんな日もあるだろう。 実を言えば、ぼくもひどく落ち込んでいたのだった。 冬の星座でも見にいこうか…

神戸新聞を読んで 4

2016年6月に神戸新聞にて、週1回の紙面批評の連載(4回)を担当しました。ブログに再掲載します。第4回、最終回です。 誰かと一対一で対面する時に自分の顔を見ることはできない。手掛かりは目の前にいる相手の表情しかない。その顔に笑みが浮かんでいるか、…

神戸新聞を読んで 3

2016年6月に神戸新聞にて、週1回の紙面批評の連載(4回)を担当しました。ブログに再掲載します。第3回です。 8月に開幕を迎えるリオデジャネイロ五輪。スポーツ面を中心にブラジル関連の記事が目立ってきた。 本紙がその名を冠する神戸という町は、190…

神戸新聞を読んで 2

2016年6月に神戸新聞にて、週1回の紙面批評の連載(4回)を担当しました。ブログに再掲載します。第2回です。 昨年、縁があって香川県の仲間とともに「瀬戸内人」という出版社を設立した。瀬戸内や四国に根ざし、地域の歴史や文化、民俗に学びながら、海辺の…

神戸新聞を読んで 1

2016年6月に神戸新聞にて、週1回の紙面批評の連載(4回)を担当しました。ブログに再掲載します。 5月27日、アメリカのオバマ大統領が現職として初めて被爆地・広島を訪問し、核兵器廃絶を訴える演説を行った。その一方で同じ5月、北朝鮮では第7回朝鮮…

サウダージ・ブックスは「ひとり出版者」を卒業します!

昨年2015年、私、「サウダージ・ブックス」の淺野卓夫は、ご縁があって香川県の仲間とともに「株式会社 瀬戸内人」という出版・メディア事業をおこなうベンチャー企業を設立しました。 仲間というのは、高松市をベースに雑誌「せとうち暮らし」を制作・発行…